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被告大学病院の設置する医科大学附属病院(以下「被告病院」という。)に入院中,腸管型ベーチェット病に由来して腸管穿孔となり,その後,死亡した事例につき,紹介病院から,ベーチェット病の疑いがあるとして紹介された事実はなく,ベーチェット病自体について完結的に適合する特異な検査方法が解明されていないのが実情であること,発症から死亡に至るまでの進行は極めて急速なものであったこと等から,原告の請求を棄却した。

千葉地方裁判所松戸支部

平成18年(ワ)第573号 損害賠償請求事件

平成22年6月4日判決

本件は,Aが,被告大学病院の設置する医科大学附属病院(以下「被告病院」という。)に入院中,腸管型ベーチェット病に由来して腸管穿孔となり,その後,死亡したことについて,Aを相続した原告らが,被告病院の勤務医であった被告Bにおいて,入院期間前の通院期間中から腸管型ベーチェット病を疑って各種検査を実施したり内科への転科措置を採ったりする義務を怠ったなどと主張して,被告Bに対して不法行為による損害賠償請求権に基づき,被告病院に対して診療契約上の債務不履行又は不法行為(使用者責任)による損害賠償請求権に基づき,被告らの連帯による,損害金の支払を求めた事案である。

裁判所は,以下の通り判断した。

原告らは,被告Bの義務違反の前提として,主として,Aが,C病院からベーチェット病の疑いがあるとして被告病院に紹介された患者であり,発熱症状や腹痛その他の胃部異常について,被告病院に通院した当初又は通院期間中の早期から被告Bに告げていたことを主張するが,原告らが主張するとおりの事実経緯を認めることはできない。また,当裁判所が採用した各鑑定の結果や医学的知見等を総合すると,Aが罹患した腸管型ベーチェット病(なお,この傷病名についても,Aに対する解剖所見に基づくものではない。)は,特徴的な臨床症状の組み合わせにより診断されるもので,ベーチェット病自体について完結的に適合する特異な検査方法が解明されていないのが実情であることに加えて,Aの発症から死亡に至るまでの経緯に照らすと,その症状の進行は極めて急速なものであったと認められる。しかも,Aのベーチェット病に対する事後的な診断はともかくとして,過去の時々刻々における適切な対処及び対応については,事後的検討においてすら困難を極めるものであったといわざるを得ないものである。

 したがって,結局のところ,本件全証拠によっても原告らの主張する被告Bの義務違反を認めることができないから,原告らの本訴各請求はいずれも理由がない。



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