BMI値40,子宮筋腫のある妊娠初期の肺塞栓症患者が死亡した件
名古屋地裁 平成27年12月25日 判決
事件番号 平成23年(ワ)第5023号
BMI値40の未経産婦,子宮筋腫の女性が急性肺塞栓,深部静脈血栓症と診断され,救急搬送されたが,その後,肺動脈血栓塞栓除去術を行ったが,低酸素脳症により脳死状態になり,死亡した。
裁判所は,子宮筋腫合併妊娠で,出血のリスクも高い患者に対し,ヘパリンを1日当たり2万単位にとどめたことは不適切とはいえないこと,また,鑑定人が述べた,永久留置型下大静脈フィルターは妊婦に禁忌であること,一時留置型下大静脈フィルターも複雑で高度なリスク評価が必要で,使用しなかったことが直ちに不適切だったとはいえないとの意見は合理的であるとして,原告らの請求を棄却した。