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硫酸アトロピンの含有量を誤って調剤された薬でアトロピン中毒による意識障害を起こし救急搬送,その後長期にわたり適応障害,不安障害等の症状が残存した事例

東京地裁 平成29年10月30日判決

事件番号 平成28年(ワ)第5735号

 

 本件は,原告の男性が,被告の開設する薬局の薬剤師が硫酸アトロピンの含有量を誤って調剤した薬を服用したところ,意識障害を起こし,意識回復後も,適応障害,不安障害,頭痛,呼吸苦等の症状が残存したと主張し,被告に対し,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案である。

 

裁判所は,原告は,本件事故(被告の薬剤師による誤調剤された薬を服用)により救急搬送され入院,アトロピン中毒との診断を受け,退院後も様々な診療科に通院しているが,本件薬には,本来含有されるべき量の1000倍もの多量の硫酸アトロピンが含まれており,原告は本件薬を服用したことにより,一時的とはいえ意識障害等の様々な症状を発症し,その後も不安や緊張状態の持続によるストレス反応としての適応障害となり,本件事故との相当因果関係は認められないものの,本件事故を一つの要因として不安障害を発症し,長期にわたり様々な症状を訴えて長年通院しているものである。よって,本件に現れた一切の事情を考慮し,慰謝料相当額を認め,また,退院時から比較的近接する期間までの診療の限度で本件事故との因果関係を認めるのが相当として心療内科,呼吸器内科等の診療費等について認容したものの,以降の各診療科の診療費については,本件事故との相当因果関係を認めることはできないとした。

不法行為に基づく損害賠償請求権については,本訴提起時に既に3年の時効期間が経過し,消滅時効は完成しているとして,これを棄却した。



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