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悪性を疑う(乳頭癌を疑う)と診断され甲状腺左葉切除術等の手術を受けたが,病理組織検査で癌細胞は検出されなかった事例

東京地裁 平成30年4月12日判決

事件番号 平成27年(ワ)第16559号

 

 本件は,被告Y1の開設する甲状腺疾患の専門病院において,穿刺吸引細胞診を受けたところ,悪性を疑う(乳頭癌を疑う)と診断された患者が,その後,甲状腺左葉切除術等の手術を受けたが,病理組織検査の結果,本件手術で摘出された腫瘤から癌細胞は検出されなかったとして,①病理医(被告Y2)には本件細胞診で誤診した過失などがあり,②外科医(被告Y3)には疑義のある本件細胞診の診断に関し病理医(被告Y2)に確認等しなかった過失があるほか,患者は癌でない可能性があったのに,患者に対して癌であると断定する説明をした説明義務違反があると主張して,病理医(被告Y2)及び外科医(被告Y3)に対しては不法行為に基づき,両被告を雇用する被告Y1に対しては使用者責任に基づき損害賠償を求めた事案である。

 

 裁判所は,上記①について,「悪性を疑う(乳頭癌を疑う)」との病理医(被告Y2)の診断が,当時の医療水準に照らし不合理なものであったと認めることはできず,病理医(被告Y2)にこの点に関する過失は認められないとし,上記②について,外科医(被告Y3)は,患者に対して患者の腫瘤が乳頭癌であると断定する説明をしたわけではなく,本件細胞診の結果,本件検体2から甲状腺乳頭癌を疑う細胞が認められたことと,治療方針として手術と経過観察があるが,患者の腫瘤は比較的気管近くに接しているため,手術が望ましいことを説明したのであるから,外科医(被告Y3)に説明義務違反があったとはいえないとして,原告(患者)の請求を棄却した。

 



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