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術後経過観察で通院中,大腸がん及びこれに起因する多発転移性肝がんと診断され手術,その後肝不全により死亡した事例

術後の経過観察で通院中の患者が,大腸がん及びこれに起因する多発転移性肝がんと診断され手術を受けたが,その後肝不全により死亡した事例

東京地裁 平成23年3月24日 判決
事件番号 平成20年(ワ)第22982 号

本件は,胃がん及び腎がんに対する手術後の経過観察を目的として継続的に通院していた患者が,その通院中に大腸がん及びこれに起因する多発転移性肝がんと診断され,結腸左半切除術,肝部分切除術及びラジオ波焼灼術を受けたところ,その後,肝不全により死亡したことについて,患者の相続人らが,担当医師らには,患者の診療に際して,①大腸がんの診断及び治療を怠った過失,②ラジオ波焼灼術に関する説明を怠った過失があるなどと主張し,病院に対し,診療契約の債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき,慰謝料等の損害賠償を求めた事案である。
裁判所は,医師らが他臓器のがんの発生を念頭に置いていなかったものとはいい難いとし,また,術前に殊更に転移巣を切除できなかった場合の予後について説明すべき義務があったとはいい難いとして,請求を棄却した。



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