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胃がんに罹患していることが判明,医師の不注意により説明しなかったため治療開始が遅れ死亡した事例

検査を受け,胃がんにり患していることが判明した患者が,医師の不注意によりこれを説明しなかったため治療開始が遅れ,胃がんにより死亡した事例

 

奈良地裁 平成28225日判決

事件番号 平成24年(ワ)第692

 

 本件は,被告病院において検査を受け,胃がんにり患していることが判明した患者が,被告医師の不注意によりこれを説明しなかったため(以下「本件説明ミス」という。),治療開始が遅れ,胃がんにより死亡したことについて,患者の相続人である原告らが,損害賠償を求めた事案である。

 裁判所は

争点(1)本件説明ミスと相当因果関係のある損害について,本件説明ミスと相当因果関係のある標準治療の治療費等相当額を認めたが,患者が受けた先進治療については,その有効性が医学的証拠をもって裏付けられたものではなく,本件全証拠によっても,その医学的必要性ないし合理性を認めることはできない上,これに要した額が,著しく高額なものであることにも照らせば,上記治療に要した費用を本件説明ミスと相当因果関係のある損害と認めることはできないとし,

争点(2)先進治療の治療費等についての支払合意の有無について,患者と被告らとの間で,先進治療の治療費を含む患者の治療費等を全て被告らが負担するとの合意が成立したものと認めることはできないとし,

争点(3)被告病院が患者に対して支払った金員が損害賠償金の内払いに当たるかについて,被告病院理事長らが,先進治療の治療費を負担することを明確に拒絶して以降に支払われた金員については,もはや先進治療の治療費の負担金として支払われたものと解することはできず,損害賠償の内払いとして支払われたものというほかないとし,

原告らの請求を,慰謝料,逸失利益等損害相当額で認め,その余の請求を棄却した。



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