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幽門温存膵頭十二指腸切除術及び再建術を実施,吻合部に縫合不全が発生,腹膜炎に罹患して多臓器不全により死亡した事例

東京地裁 平成21年3月25日判決

事件番号 平成19年(ワ)第13号

 本件は,被告病院において,被告病院医師らが,慢性膵炎を伴う膵頭部癌の患者に対し幽門温存膵頭十二指腸切除術及び再建術を行ったところ,吻合部に縫合不全が発生したため患者が腹膜炎に罹患して多臓器不全により死亡したことにつき,患者の遺族(共同相続人)である原告らが,医師らに経鼻胃管を早期に抜去した過失,経鼻胃管を再挿入しなかった過失又は腹膜炎に対する治療としての開腹手術が遅れた過失があったとして,被告に対し,不法行為責任(使用者責任)又は診療契約上の債務不履行責任に基づき,それぞれ損害賠償を求めた事案である。

 裁判所は,被告病院医師らには,腹部CT検査施行後速やかに,縫合不全部の修復処置とダグラス窩を含む腹腔内各所から腹腔外へのドレーンの誘導留置等を行い,併せて汚染腹水の吸引と腹腔内洗浄を行うための再開腹手術をすべき注意義務があり,同医師らにはこの注意義務を怠った過失があり,患者は,被告病院において適切な治療行為を受けていたならば,その死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性があったにもかかわらず,適切な治療行為が行われなかったことによってこれを侵害されたのであるから,患者が被った損害(精神的苦痛)に対する慰謝料は500万円が相当であるとして,原告らの請求を一部認容した。

 



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