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自宅浴槽において意識喪失し全身熱傷で救急搬送され入院した患者が,転院して処置を受けたものの死亡した事例

自宅浴槽において意識喪失し全身熱傷で救急搬送され入院した患者が,転院して処置を受けたものの死亡した事例

宮崎地裁 平成29年1月25日判決
事件番号 平成26年(ワ)第333号

 本件は,自宅の浴槽において意識を喪失し,全身熱傷を起こして被告病院に救急搬送され入院,その後大学病院に転院して処置を受けたものの死亡した患者の相続人(父母)である原告らが,患者は全身熱傷を起こして重度熱傷の状態であったのであるから,被告病院の医師には,重度の全身熱傷の患者についてデブリードマン(外科的壊死組織切除術)を行う人的物的体制の整った医療機関に患者を速やかに転送すべき義務があったのに,これを怠ったなどと主張し,被告病院に対し,診療契約上の債務不履行又は不法行為に基づき損害賠償を求めた事案である。

 裁判所は,重症熱傷の治療に当たっては早期に適切な医療機関への転送を行うことが重要とされているのであるから,被告病院の医師には,上記医療機関への転送が避けられないと認識した時点で,速やかに上記の人的物的体制の整った医療機関である大学病院に連絡をし,転送の可否を打診するなどして転送準備を講じるべき注意義務を負っていたところ,これを怠った過失があり,被告は,患者が適切な医療行為を受けていたならば,その死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性を侵害されたことによって被った損害を賠償すべき不法行為責任を負うというべきであるとした。よって,本件の診療経過や被告の過失の態様等,本件に現れた一切の事情を考慮し,亡患者が被った精神的苦痛に対する慰謝料相当額を認容し,原告らのその余の請求は棄却した。



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